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2020.07.31 「Salesforce - Summer '20 新機能をチェック(1):新機能チェックの前に "直近で廃止になる機能" を確認しましょう 【重要】」

≪  2020.07.17 「Salesforce のセキュリティ機能について:(3 - 最終回)シングルサインオンの補足とデバイス管理について」

2020.08.20 「Salesforce - Summer '20 新機能をチェック(2):Sales Cloud & Lightning Platform 編」

 

お世話になっております。

ウフル カスタマーサポート Salesforce 担当の 後藤 でございます。

 

 

お待たせいたしました。

新型コロナウイルス禍などの諸事情により、本来ならば6月中旬リリースとなっていた Salesforce Summer '20 が、延期を経て先週リリースとなりました。

 

 

リリースノートはこちらからダウンロードいただけます。

https://releasenotes.docs.salesforce.com/ja-jp/summer20/release-notes/salesforce_release_notes.htm

 

 

日本語版で 586 ページに及ぶ非常にボリュームのあるものですので、一般的な Salesforce 環境でお使いのお客様にとって重要な機能をセレクトして、ご案内をさせていただきます。

 

今までの例に倣い、第一回は「Sales Cloud & Lightning プラットフォーム編」、第二回は「Service Cloud 編」、第三回は「コミュニティ& Pardot 編」の全三回構成を予定・・・しておりましたが、今回はその前に「プレ第一回」として、「次のリリース(Winter '21)までに機能廃止となるもの」の確認をしていきたいと思います

 

そのうちのいくつかの機能、もしかしたらお客様にインパクトがあるかもしれません。

 

 

 

 

* 新機能を見ていく前に、廃止となる機能についての確認をしましょう

 

 

来るものあれば、もちろん去るものもあります。

直近で提供終了となるもののうち、多くのお客様に関係すると考えられるいくつかの機能について、代替機能も含めてご案内いたします。

 

 

 

Salesforce 機能の廃止

https://help.salesforce.com/articleView?id=000313062&language=ja&mode=1&type=1

 

 

【Summer '20 リリースにより廃止となった機能】

 

  • Salesforce Mobile Web ブラウザアクセス
  • カスタマイザブル売上予測
  • データ回復

 

 

【Winter '21 リリース(今年10月中旬頃)で廃止となる機能】

 

  • Apex:flash コンポーネント
  • Chatter for Windows および Skype for Salesforce
  • Salesforce for Outlook
  • Pardot メールプラグイン
  • Pardot LeadDeck

 

 

まず「モバイル Web ブラウザアクセス」については、前回のカスタマーサポート通信でも簡単にご説明させていただきました。(まだご覧になっていない方はお時間ございましたら是非ご覧ください)

 

 

2020.07.17 「Salesforce のセキュリティ機能について:(3 - 最終回)シングルサインオンの補足とデバイス管理について」

https://csminfo.uhuru.jp/hc/ja/articles/900001800283

 

 

モバイルアプリケーションをインストールしなくても、スマートフォンやタブレットの標準ブラウザ(iOS の Safari および Android の Chrome)でモバイル用インターフェースでのアクセスが可能になる機能が提供されていましたが、今回の Summer '20 で廃止となり、モバイルブラウザ経由で Salesforce にアクセスすると、モバイルアプリケーションをインストールするよう促すメッセージが表示され、ユーザは AppStore および GooglePlay に誘導されるようになっています。

 

モバイルアプリケーションの利用はシステム管理者が許可とブロックを制御できますので、許可されていないユーザはモバイルデバイスからの Salesforce へのアクセスができなくなります。

 

 

※ Salesforce Classic に戻すオプションが有効なユーザは、本機能廃止後もモバイルブラウザ経由でアクセスした場合、Classic フルサイト画面で表示されます。

セキュリティ管理の観点でモバイルアプリケーションの使用を制限している場合、ユーザを Lightning Experience に完全移行させる必要がありますのでご注意ください。

 

 

Salesforce モバイル Web 環境の廃止

https://help.salesforce.com/articleView?id=000349471&language=ja&mode=1&type=1

 

 

「カスタマイザブル売上予測」ですが、こちらは Salesforce Classic 専用の古いバージョンの売上予測機能になります。

これで Sales Cloud の売上予測機能は「コラボレーション売上予測」のみになります。

 

ちなみに「カスタマイザブル売上予測とコラボレーション売上予測の違いは?」など、カスタマイザブル売上予測に関係する既存の公式ヘルプは、既に「404 Not Found」になっておりました・・・。

 

 

Summer '20 リリースでのカスタマイザブル売上予測の廃止

https://help.salesforce.com/articleView?id=000318356&type=1&mode=1&language=ja

 

 

「データ回復」の廃止については、従来は「誤ってデータを削除してしまったときのセーフティネット」として、有料でのデータ復旧サービスがひそかに提供されていました。

以下に引用したとおり問題が認識されていたため、SFDC 社が表立ってアナウンスしていなかったという事情がありましたが、今回のリリースで正式に廃止となりました。

 

 

データ回復の廃止

https://help.salesforce.com/articleView?id=000352139&type=1&mode=1&language=ja

 

 

=======================================================

データ回復サービスは、プロセスの所要時間と信頼性において、Salesforce のカスタマーエクスペリエンスの高い基準を満たしていません。このプロセスは、完了まで 6 ~ 8 週間かかり、100% のデータ回復を保証できません。

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今後はウィークリーエクスポートのスケジュールなどを活用してお客様にてデータのバックアップを必ず行い、誤って削除してしまった際の復元をご自身にて実施ください、という方針になります。

 

 

Winter '21 での廃止機能は、主にインテグレーションの関係(Salesforce 自体というよりは連携先の事情)によるものが中心のようです。

 

 

Apex:flash の廃止は、皆様既にご認識の通り、Adobe Flash のディスコンによるものです。

サポート対象外でもいいから使い続けたいという場合は、「API バージョン 49 以下」を使用してくださいとのことです。

 

 

apex:flash の廃止

https://help.salesforce.com/articleView?id=000351481&type=1&mode=1&language=ja

 

 

Pardot LeadDeckChatter for WindowsSkype for Salesforce は、いずれも Windows デスクトップ上で使用するウィジェット的なものですが、Microsoft 側の仕様変更などによって廃止となります。

 

 

Pardot LeadDeck の廃止

https://help.salesforce.com/articleView?id=000351480&type=1&mode=1&language=ja

 

Chatter For Windows

https://help.salesforce.com/articleView?id=000353028&type=1&mode=1&language=ja

 

Skype for Salesforce の廃止

https://help.salesforce.com/articleView?id=000350907&type=1&mode=1

 

Pardot メールプラグインの廃止

https://help.salesforce.com/articleView?id=000351541&type=1&mode=1&language=ja

 

 

併せて、Salesforce for Outlook が正式に廃止となります。

 

Salesforce for Outlook をご存じない方に簡単にご説明しますと、ユーザが使用する各コンピュータにデスクトップアプリケーションを直接インストールし、Outlook で送受信を行うたびにアプリが動き、Salesforce の取引先責任者やリード、商談などとメールを紐づける、というものでした。

各コンピュータにアプリをインストールするという形態上、正常に動作しない場合のサポートがとにかく大変、という点が強く印象に残っています

 

Winter '19 (2018年10月)に、新規提供停止、その時点で使用しているユーザのみ継続使用可能、という「メンテナンスフェーズ」に入っていましたが、「Winter ’21 での Microsoft Internet Explorer 11 延長サポート終了」に伴い、Salesforce for Outlook のサポートも完全に終了となります。(アプリが同期を取る際に IE11 を経由して Apex をコールする仕様になっていたとのことです。)

 

 

Salesforce for Outlook の廃止

https://help.salesforce.com/articleView?id=000353024&language=ja&mode=1&type=1

 

 

一番気になるのが「代替機能は何?」という点だと思われます。 特に取引先責任者&リードとメールの同期に関して。

 

今までは「Lightning Sync」という、Salesforce と Outlook (Office 365 または Exchange) および G Suite をクラウド上で直接連携して同期する機能が、クライアントアプリ版の Salesforce for Outlook を置き換えることになるのではという認識でしたが、Summer '20 のタイミングで上記のヘルプも書き換わり、概ね以下のように方針の変換が表明されました。

 

  • Lightning Sync も Winter '21 リリースにて「メンテナンスフェーズ」に入り、今後の機能強化がされなくなる(新規で有効化もできなくなる)
  • Salesforce for Outlook の正式な後継は「Outlook インテグレーション」「Einstein 活動キャプチャ」である

 

まさかの「Lightning Sync ディスコンへの第一歩」、これには正直驚きました。

 

Outlook インテグレーションは、いわゆる「サイドパネル」の機能 (Outlook の受信トレイ画面に、送信者の Salesforce リード/取引先責任者や関連する商談の情報を簡易的に表示するというもの)になります。

 

一方、Einstein 活動キャプチャは、Outlook (Office 365 または Exchange) および G Suite と Salesforce を連携して、メールの送受信をキャプチャして、取引先責任者やリード、および関連する取引先や商談の活動履歴に表示させる、というものです。

恐らく多くの方にとっての「Outlook 連携」はこちらを指すのではと思われます。

 

カスタマーサポート通信のバックナンバーでも「Einstein シリーズ」の時に取り上げておりますので、是非ご参考にしてください。

 

 

2020.06.19 「Einstein AI で Salesforce は進化する:(6) Sales Cloud Einstein - 生産性向上の鍵は AI にあり(前編)」

https://csminfo.uhuru.jp/hc/ja/articles/900001398586

 

 

これらの機能はあと2ヶ月半で使用できなくなります。

特に Salesforce for Outlook をお使いの方は、非常に大きなインパクトとなると思われますので、早いうちに準備を行っていただくことを強くお勧めいたします。

 

 

 

 

* 次回の予告:それでは本題、Summer '20 の新機能を見ていきましょう

 

 

 

Summer '20 の目玉としては、「既存機能の改善」「新機能のリリース」に分けると、概ね以下の通りになります。

 

 

【既存機能の改善】

 

Lightning Experience 移行アシスタントと設定コンバータの強化

  • 移行ウィザードで扱う項目が大幅に増加しています
  • アクションやボタンの変換機能が大幅に強化されています

アプリケーション内ガイダンスのブラッシュアップ

  • ウォークスルーを使用した複数ステップのガイダンスが作成可能に
  • 他の〇〇ビルダーにインターフェースを併せた「ガイダンスビルダー」のリリース
  • フロート表示をドラッグ操作で自由に移動できるようになります

 

 

【新機能の提供】

 

Dynamic Action (ベータ) と Dynamic Forms (非公式プレビュー)

  • いずれもレコードの特定条件を満たした際に、アクションボタンやカスタム項目の表示を制御する機能です

Kanban ビューのガイダンス表示

  • (商談のフェーズなど)指定した選択リスト値に対して画面右に「指定した項目」と「成功へのガイダンス」を表示します

分割ビュー

  • ケースのコンソールで提供されていた「左に一覧、右に詳細」のビューがすべてのオブジェクトで使用できます

関連レコードコンポーネント

  • 当該レコードから2階層以内の関連レコードの値を直接表示できます
    (クロスオブジェクト数式項目を置き換える働きが期待されます)

レポートの「登録」で送信されるメールに CSV ファイルを添付する(ベータ)

 

 

<Lightning Experience 設定コンバーター>

 

<アプリケーション内ガイダンスビルダー>

 

<分割ビュー>

 

<Kanban ビューのガイダンス>


 

これらの機能については、ベータ機能のものも含めて、次回詳しくご紹介させていただきます。

 

 

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冒頭にも述べましたとおり、本来は「Summer '20 新機能の第一回」となる予定でしたが、直近で廃止となる機能のインパクトが大きかったため、急遽「プレ第一回」として、廃止となる機能の詳細説明と、新機能の予告を併せて行わせていただきました。

特に、弊社のお客様でも Salesforce for Outlook を使用しているお客様は少なくなく、代替機能の準備など、それなりにインパクトが大きいものと思われます。

 

今まで使用していた機能を新しいものに切り替えるのはなかなか大変だと思われますが、機能改善や安定性向上のためには不可避な側面もございます、不明点ございましたら遠慮なくご相談いただければ幸いでございます。

 

イレギュラーな形となりましたが、次回以降「新機能紹介」を本格始動させていただきます。

 

 

 

今後ともウフル カスタマーサポートを引き続きご愛顧いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 


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