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2020.04.10 「【特別編】 テレワーク必須の状況で Salesforce を円滑に運用するには(稟議や承認の自動化など)」

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2020.04.21 「【"特別編" 改め "テレワーク支援企画"】 今だからこそ Salesforce Chatter に再注目してみましょう」

 

お世話になっております。
ウフル カスタマーサポート Salesforce 担当の 後藤 でございます。

 

皆様いかがお過ごしでしょうか。

新型コロナウイルス(COVID-19)、 収束の気配が見られないばかりか、遂に大都市圏(首都圏、 阪神圏、福岡の7都府県)にて緊急事態宣言が発令されました。

 

首相官邸公式「新型コロナウイルス感染症に備えて ~ 一人ひとりができる対策を知っておこう ~」(随時更新)
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html

 

そのため、テレワーク(在宅勤務)が「推奨」ではなく、もはや「必須」な状況となりました。
本記事も筆者の自宅で Salesforce の公開メールテンプレート機能を使用して作成しています。

 

先週のカスタマーサポート通信でも「できるだけテレワークに移行できるように」 Salesforce のセキュリティ施策についてご案内いたしましたが、 テレワーク必須となった今、 具体的にどのような施策が必要かを考える必要があります。

一番重要なのは、「稟議や承認をどう回すか」 という点ではないかと思われます(実際に弊社がその状況です) ので、今週も「特別編」として、 ワークフローの効率化についてご一緒に考えていければと存じます 。

 

 

 

* その前に先週のおさらい: 「IP アドレスのザル設定」はなぜ「最悪」なのか

 

稟議の自動化などについてご案内する前に、先週の「セキュリティ編」 記事についてお客様からご質問がありましたので、 こちらで改めてご案内させていただきます。

先週の記事はこちらです。
https://csminfo.uhuru.jp/hc/ja/articles/900000497266

 

【ご質問の内容】
「絶対にやってはいけない、IP アドレス設定の最悪例」 として画面のキャプチャが挿入されていましたが、 具体的にどういった理由で「最悪例」なのでしょうか。

 

 

こちらは、システム管理者や標準ユーザなどのプロファイルにて [ログイン IP アドレスの制限] の設定画面を開いたものです。

開始 IP アドレスが「0.0.0.0」、終了 IP アドレスが「255.255.255.255」となっています。

つまり、「すべての IP アドレス範囲を無条件で信頼する」ことを意味しています。 いわゆる「ザル設定」です。

 

プロファイル側で IP アドレスを指定することにより、

  • 「範囲内のアドレスからのログインは、 確認コードやセキュリティトークンが求められなくなる」
  • 「範囲外のアドレスからのログインは、たとえセキュリティ設定の [ネットワークアクセス] で許可されたアドレスであってもブロックされる」

動きになります。

 

ネットワークアクセス、セッションの設定、プロファイル毎の ログイン IP アドレスの制限の違い https://help.salesforce.com/articleView?id=000333031& language=ja&type=1&mode=1

 

このような設定は、多分(・・・いや、間違いなく) 遠隔作業の際に確認コードを都度訊かれたり、 データローダ作業の際にパスワード末尾にセキュリティトークンを いちいち付け足したりするのが面倒くさいために実施しているもの と考えられます。

ではなぜ [ネットワークアクセス] ではなくプロファイルの設定で行うのでしょうか。
それは以下のヘルプに答えがあります。

 

組織の信頼済み IP 範囲の設定
https://help.salesforce.com/articleView?id=security_ networkaccess.htm&type=5

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
開始 IP アドレスと終了 IP アドレスは IPv4 範囲にあり、アドレス数は 33,554,432 以内にする必要があります (225、7 CIDR ブロック)。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

[ネットワークアクセス] では、0.0.0.0 ~ 255.255.255.255 という広範囲(というか「全域」) のアドレスを一気に設定できないよう制限が設けられています。
一方プロファイルの [ログイン IP アドレスの制限] ではそのような制限がないため、 全域一括設定ということが容易にできてしまうわけです。

 

では本題、「全 IP アドレスの信頼済み設定」がなぜ「最悪」なのでしょうか。

 

例えば、 組織の管理者のメールアドレスから管理者アカウント名を特定し、 主管理担当者の生年月日などからパスワードを推測して、 不正ログインを試みたりすることも考えられます。
もしくは、自動プログラムを組んでパスワードを乱数で生成し、 手あたり次第ログインを試みたり。

もし会社の IP アドレス外から攻撃されても、 通常ならば管理者のアドレスに確認コードが送られ、 身に覚えがない場合は無視すれば 24 時間で無効となります。

ところがプロファイルで IP アドレスが全信頼されていると、 確認をする間もなくログインされてしまい、 組織の機密情報などが抜き出されてしまいます。

 

テレワークで自宅ネットワークからアクセスする際に都度確認コー ドを求められるからと言って、IP アドレスの「ザル設定」を行ってしまうと、 上記の通りセキュリティに多大なリスクが発生します。

例え面倒でも、絶対にこのような設定は行わず、 少なくとも初回のみの ID の検証は必ず行うようにしましょう。
出来れば、先週ご案内したとおり、「各ユーザが作業完了しログアウトしたら Cookie を削除する」「管理者がその日のログイン有効化履歴を全削除する」「2要素認証を有効化してモバイルデバイスの管理アプリと連携する 」などの追加施策を取ることを強くお勧めいたします。

 

 

 

* 今週の本題: テレワーク環境において、稟議・承認・ 押印などをどうやって効率的に回すか

 

弊社でも原則全社員テレワークとなって丸1週間が経過しようとしています。

 

社員同士のやりとりを行うにも、 今までは直接席まで声を掛けに行ったり、 社内の会議室などでミーティングを行う方法を取っていましたが、 今週に入りこの方法が取れなくなりました。
最初のころは Google Hangout などのビデオ/音声会議を多用していましたが、 週の中ごろになると「会議が多すぎて、 テレワーク導入前よりも疲弊してきた」 という意見がちらほらと聞かれるようになり、 会議の開催頻度も少なくなってきた傾向にあります。

 

恐らくお客様の会社でも概ね共通の傾向ではないかと思われます。

 

社員ほぼ全員がテレワークの状況で業務を効率的に回すには、 最終的には「社員が各々の持ち場に分散していながら、 いかに流れを滞らせないか」 という点が重要になってくるはずです。

カスタマーサポート通信をご覧いただいている方は原則的に皆様「Salesforce の管理者」ですので(・・・配信後 Web でご覧になっている皆様申し訳ございません!)、 おのずと主題は「Salesforce で効率的に稟議を回すには」になってきます。

 

さて、出金や受注などの稟議を Salesforce で回すには、どのような方法があるでしょうか。

Chatter グループで案件ごとにスレッドを立てて、PDF ファイルを添付して・・・という方法もできなくはないですが、 やはり基本は、Sales Cloud ならば商談を使い、Salesforce Platform (Force.com) 環境ならばカスタムオブジェクトを作成して、 という方法になるはずです。

 

・・・勘のいい皆様は既にお気づきかと思いますが、 効率的に回すには「プロセスの自動化」 が最重要ポイントとなります。

 

過去のカスタマーサポート通信でたっぷりとフォローしております 、せっかくの機会ですので振り返ってみましょう。

 

2019.11.22 「Salesforce ビジネスプロセス自動化ツールを活用しよう(1) - どのような自動化ツールがあるかを再確認してみましょう」
https://csminfo.uhuru.jp/hc/ja/articles/900000072003

 

ワークフロールール、承認プロセス、プロセスビルダー、 Lightning フロー、色々な自動化ツールがありますが、今回の主題「流れを滞らせず、効率的に稟議を回す」場合は、 主に承認プロセスの出番になるはずです。

 

2019.12.6 「Salesforce ビジネスプロセス自動化ツールを活用しよう(3) - プロセスビルダーを活用して既存の承認プロセスも整理してみましょう」
https://csminfo.uhuru.jp/hc/ja/articles/900000072103

 

社員が分散している状況では、「今、 稟議のボールは誰の手の中にあるか」 を可視化することが重要だと思われます。

稟議を管理するオブジェクト(商談だったり、 カスタムオブジェクトだったり)に、「次の承認者」 というユーザ参照項目を作成し、承認ステップのアクションに、 次の承認者を割り当てるアクションを設定すれば、 今どこまで承認が済んでいるかが一目でわかるようになり、 レポート機能も併用して「決裁未完了の稟議: 現在の承認割り当てユーザ」も一覧で参照できるようになります。

 

もしご要望ありましたら、 次回のカスタマーサポート通信で設定例をご案内させていただきま す。

 

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テレワーク環境下でもう一つ問題が挙げられます。それは「押印」 です。
在宅勤務を推進しても、「ハンコを押すためにどうしても出社しなければいけない」 というケース、お客様の会社にも少なくないのではと思われます。

 

ITmedia NEWS - 2020/3/4 
テレワークの限界? 経験者の6割が「紙書類の確認・押印のために出社」https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2003/04/news143. html

 

社内だけならともかく、対顧客の契約書などでは、 どうしても押印を省略することはできません。

今までなら「仕方ない、出社するか」で対応できていましたが、 冒頭で述べたとおり現在大都市圏では緊急事態宣言に伴う外出自粛 要請が出ており、「押印のための出社」 も極力回避することが求められている状況です。

 

その打開策として、「電子契約」機能を Salesforce に追加する方法があります。

 

Salesforce の機能拡張マーケットプレイス「AppExchange」にて「電子契約」で検索を掛けると、多くのサービスがヒットします。
https://appexchangejp.salesforce.com/appxSearchKeywordResults?keywords=%E9%9B%BB%E5%AD%90%E5%A5%91%E7%B4%84&searchType=simpleSearch 

この中から、 お客様の業務形態に即したものを選択して追加購入します。

電子契約というサービスの特性上すべて有料となっていますが、 無料トライアルができるものもありますので、Sandbox 環境などで事前に使用感を確かめることもできます。

 

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新型コロナウイルスの感染拡大は先週よりもシビアな状況になり、 拡散させないための外出自粛はもはや喫緊、まさしく「ここが踏ん張りどころ」であると言えます。
逆に考えれば、この「社員が各々自宅にいなければいけない状況」 を、「業務フローを改革する機会」 と捉えることもできるわけです。

この機会を前向きに捉えることができれば、 パンデミックが収束したあと、「業務効率の向上」 というボーナスが戻ってくるはずです。
弊社からも対策事例をできる限り共有していきますので、 ご一緒に頑張っていただければ幸いでございます。

 

引き続き、ウフルはお客様のテレワークを全力で支援いたします。

 

今後ともウフル カスタマーサポートを引き続きご愛顧いただきますよう、 何卒よろしくお願い申し上げます。


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