2020.02.20 「Salesforce - Spring '20 新機能をチェック（１）：Sales Cloud & Lightning プラットフォーム編（前編）」

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お世話になっております。

ウフルカスタマーサポート Salesforce 担当の後藤でございます。

お待たせしました、先日（日曜日の未明）、新バージョン「 Spring '20」がリリースされました。

（カスタマーサポート通信で大規模アップデートを取り上げるのは Winter '20 に引き続いて２度目になります。）

リリースノートはこちらからダウンロードいただけます。
https://releasenotes.docs.salesforce.com/ja-jp/spring20/release-notes/salesforce_release_notes.htm

日本語版で 609 ページに及ぶ非常にボリュームのあるものですので、一般的な Salesforce 環境でお使いのお客様にとって重要な機能をセレクトして、ご案内をさせていただきます。

今週と来週は「Sales Cloud ＆ Lightning プラットフォーム編」、第３週は「Service Cloud 編」、第４週は「コミュニティ＆ Pardot 編」の４週構成を予定しております。

ご多忙な中恐縮でございますが、しばしお付き合いいただければ幸いでございます。

＊アプリケーション内ガイダンスの機能追加

「アプリケーション内ガイダンス」機能自体は Winter '20 で既に追加されていたものです。

画面の右下などにポップアップ（＝「フロート表示プロンプト」）やサブウインドウ（＝「ドッキングプロンプト」）を表示し、設定変更の連絡や機能ガイダンスの提供などを行う機能です。

Winter '20 リリース時のカスタマーサポート通信でも取り上げさせていただきました。
https://csminfo.uhuru.jp/hc/ja/articles/900000088266

今回はより柔軟に使用できるよう、追加機能が提供されました。

プロンプト設定時にプロファイルを指定
ドッキングプロンプトへの動画埋め込み
トランスレーションワークベンチ（翻訳機能）への対応
プロンプト表示間隔の時間設定

まず「プロンプト設定時にプロファイルを指定」ですが、 Winter '20 では「特定の権限を持つユーザ」だけを条件に設定できました。例えば「すべてのデータの変更」や「アプリケーションのカスタマイズ」など、プロファイルや権限セットで付与された「細かい権限」一つ一つを条件に指定する必要がありました。

これではあまりに「細かすぎて伝わらない」のか、同じような他の機能と同じように、プロファイルで指定するメニューが追加されました。わかりやすくなりましたね！

「最大10個のプロファイルと権限の組み合わせを選択できます」とのことなので、Winter '20 の時と同じように設定するには、「プロファイルで絞り込まず、権限で条件を設定する」方法を取ります。

プロファイルと権限の両方で絞り込むと、「特定のプロファイル、かつ特定の権限を付与されたユーザ」が対象になるため、プロファイルで有効になっていない権限を条件とすると、別途権限セットで付与されていない限り、プロンプトが誰にも表示されないということもあり得ますのでご注意ください。

初めて使用する方は「プロファイルで絞り込み、権限では絞り込まない」設定から始めるのがよろしいと思われます。

プロンプトの作成時にプロファイルを指定
https://releasenotes.docs.salesforce.com/ja-jp/spring20/release-notes/rn_general_engage_profiles.htm

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２つ目の新機能が、これは結構インパクト大きいと思うのですが、「動画埋め込み」への対応です。

ドッキングプロンプトにて（フロート表示は非対応）、 YouTube などの動画サイトで公開された動画を埋め込み表示することができます。

（ローカルに保存された動画は非対応です。必ず動画サイトにて公開する必要があります。）

YouTube の場合は、動画の「共有」をクリックし、「埋め込む」よりソースを取得します。

埋め込み用 HTML コードをメモ帳などに貼り付け、src パラメータの URL のみをコピーします。

コピーした URL を、プロンプト設定の「動画の埋め込み URL」に貼り付けます。

プロンプトをプレビューしてみましょう。ご覧の通りです！

動画が再生されない場合は、動画サイトが CSP （コンテンツセキュリティポリシー）で信頼済みとなっていないことが主な理由です。

CSP 信頼済みサイトの一覧に動画サイトの URL を追加します。

ドッキングプロンプトへの動画の追加
https://releasenotes.docs.salesforce.com/ja-jp/spring20/release-notes/rn_general_engage_videos.htm

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３つ目の機能追加は、翻訳に関するものです。

Winter '20 では、各国語版のプロンプトを個別に作成する必要がありましたが、 Spring '20 では、プロンプトを１つだけ設定し、表示ラベルの翻訳を「トランスレーションワークベンチ」にて設定することで、プロンプトを一括管理することが可能となります。

これで多国語環境のお客様でも安心してアプリケーション内ガイダンスが使用できるようになりました。

プロンプトの表示ラベルを維持するためのトランスレーションワークベンチの使用
https://releasenotes.docs.salesforce.com/ja-jp/spring20/release-notes/rn_general_engage_translate.htm

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最後の機能追加は、表示間隔の調整機能についてです。

Winter '20 では、プロンプトの表示タイミングは「24時間に1回」で固定となっていましたが、Spring '20 では「0分～99時間59分」の範囲内で間隔をカスタマイズすることが可能になりました。

全体での設定となるため、特定プロンプトのみ表示間隔を拡げたい（狭めたい）ということはできませんので、予めご了承ください。

以下の例では、48時間おきにプロンプトを表示します。

表示間隔を「０分」とすると・・・

設定したプロンプトが次々と表示されます！

業務の妨げにならないよう、表示間隔を狭めるのは程々に・・・。

ユーザへのプロンプトの表示タイミングのカスタマイズ
https://releasenotes.docs.salesforce.com/ja-jp/spring20/release-notes/rn_general_engage_feedback.htm

＊モバイルアプリケーションの機能改善

こちらも Winter '20 で既に提供されている機能ですが、Spring '20 では更にブラッシュアップされています。

Winter '20 で追加された内容についてはバックナンバーをご覧ください。
https://csminfo.uhuru.jp/hc/ja/articles/900000088486

Spring '20 で追加された機能はこちらです。

権限を割り当てることなく、すべてのユーザに新しいモバイルアプリケーションが提供される
カスタマイズ可能なナビゲーションバー
通知、検索、お気に入りへのアクセスの容易化

Winter '20 では、組織で Lightning Experience を有効化したうえで、新しいモバイルアプリケーションへのアクセス権限を個別に付与する必要がありましたが、Spring '20 では、Salesforce Classic 環境も含めて、すべてのユーザに自動で提供されるようになりました。

カスタマーサポート通信をご覧の皆様は原則的にシステム管理者権限が付与されているはずですので、既に新しいモバイル環境にアクセスされた方も多いと思いますが、 Spring '20 より、すべてのユーザが新しいモバイルアプリケーションの恩恵を受けることになりました。

新しい Salesforce モバイルアプリケーションへようこそ
https://releasenotes.docs.salesforce.com/ja-jp/spring20/release-notes/rn_mobile_app_new_welcome.htm

新しい Salesforce モバイルアプリケーションの有効化 (重要な更新)
https://releasenotes.docs.salesforce.com/ja-jp/spring20/release-notes/rn_mobile_app_cruc_upgrade.htm

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今までのモバイルアプリケーションでは、ナビゲーションバー（画面最下部）のカスタマイズは自由度が高くないものでした。

最初のタブだけはアプリケーション側で設定した最上位のものが反映されますが、それ以外はモバイルアプリケーションで固定された「お気に入り」「検索」「通知」が固定で表示されていました。

今回のアップデートで、デスクトップ用 Lightning アプリケーションで設定したタブの上位４つが、モバイルナビゲーションにそのまま反映されるようになりました。

＜デスクトップ Lighining の「セールス」アプリケーション＞

＜モバイルで「セールス」アプリケーションを選択した場合＞

デスクトップ Lightning アプリケーションの左から４つのタブを反映し、「リード / 企業 / 取引先責任者 / 商談」の順に表示されています。

なお、反映させるためにはモバイルアプリケーションを最新版にアップデートする必要があるようです。
（筆者は「おかしいなー、設定したのに反映されない・・・」と10分くらい思案し、モバイルアプリを更新したら一瞬で反映されたので、何事もアップデートが重要なのだなと改めて実感しました。）

では、今までナビゲーションバーに固定表示されていた「お気に入り」や「検索」「通知」がどこに行ったのかというと・・・

「お気に入り」は「私のプロファイル」メニューに移ってました。こちらの方がわかりやすく、ナビゲーションバーの貴重なスベースも消費しないので、筆者個人的には「改善点」だと思います。

「通知」と「検索」は画面右上に独立表示されるようになりました。
ある種「モバイルアプリらしい」表示形態なので、こちらもよりわかりやすくなったと感じました。

刷新された Salesforce アプリケーションのすべての新機能
https://releasenotes.docs.salesforce.com/ja-jp/spring20/release-notes/rn_mobile_feature_overview_table.htm

ナビゲーションバーをさらにカスタマイズ
https://releasenotes.docs.salesforce.com/ja-jp/spring20/release-notes/rn_mobile_customize_navigation_bar.htm

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Spring '20 の新機能紹介の一回目、いかがでしたでしょうか。

今のところは、「Winter '20 で追加された機能のブラッシュアップ」が中心なようですが、新機能がリリースされてから４ヶ月の期間で、ユーザからのフィードバックを収集し、迅速に機能改善に反映させる、そのスピード感が「クラウド的」というか「Salesforce らしさ」であると強く感じました。

次週は「Sales Cloud ＆ Lightning プラットフォーム編」の後編として、レポート＆ダッシュボード、活動や Chatter の機能追加や改善についてお送りいたします。

今後ともウフルカスタマーサポートを引き続きご愛顧いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

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