2020.01.16 「知ってるようで知らない Service Cloud:(1) Service Cloud の概要」
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2020.01.24 「知ってるようで知らない Service Cloud:(2) Lightning サービスコンソールを使ってみる」 ≫
お世話になっております。
ウフル カスタマーサポート Salesforce 担当の 後藤 でございます。
年末年始の休みが明けて通常運転になり1週間と少々が経過しまし たが、皆様調子は戻ってきましたでしょうか。
さて、先週予告しましたとおり、 今週から新シリーズをお送りします。
題して「知ってるようで知らない Service Cloud」です。
Sales Cloud (リード獲得から商談成立までを管理するパッケージ) は弊社でも多くのお客様に導入 / 保守を行い、お客様にも馴染みがありますが、Service Cloud については、Sales Cloud ほど導入事例も多くなく、ノウハウの蓄積も少ないため、 弊社スタッフもお客様も、まだまだ Service Cloud において知らないことが多々あるのではないか、 そう思いこのようなタイトルといたしました。
では、Service Cloud とはいったいどのような製品なのでしょうか。
Salesforce 公式サイトでは以下のように謳われています。
https://www.salesforce.com/jp/ products/service-cloud/ features/
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世界 No.1 のサービス部門向け CRM プラットフォームで、よりスマートでパーソナルな顧客体験を実現
エージェントの体験をより良いものにして、 顧客体験を改善します。 パワフルな生産性向上ツールと、 企業と顧客とのすべてのやりとりを一元管理できる使いやすいビュ ーをエージェントに提供します。 マネージャーは、 予め組み込まれたパフォーマンスダッシュボードと、 インサイトをAIによって得られるアプリを活用し、 サポートチームを最適化できます。
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一言でいうと、「 お客様問い合わせ窓口一元管理アプリケーション」 といったところでしょうか。
私事ですが、Salesforce に関わるようになったのが2009年の4月で、 サポートデスクでのお客様への技術サポート提供窓口にて、 Service Cloud の原型と言える「ケース管理機能」を使用しておりました。 つまり私の Salesforce の入り口は Service Cloud だったということになります。
当時の機能は実にシンプルで、
- お客様がサービスにログインし、ヘルプメニューの「 サポートに問い合わせ」を開き、必要事項を入力して「送信」 をクリックすると、Salesforce 組織にケースが作られ、 お客様の取引先責任者情報に関連付けがされる
- お客様が公開サポートアドレス宛にメールを送信すると、 お客様の取引先責任者情報に関連してケースが作られる
- お客様から電話を受けると、Salesforce 上に埋め込まれた IP 電話の連携アドオンが反応し、 画面に取引先責任者情報が表示される( うまく表示されないことも多かった)ので、 それを基にスタッフがケースを手動起票する
- 作成したケースにコメントを追加し、「公開」 チェックをオンにすると、お客様にメールで回答が送信される
だけでした。
逆に言えば、Service Cloud は、上記を「コア機能」として、 新機能の追加や既存機能の改善を積み重ねて現在に至っている、 とも解釈できます。
「問い合わせフォームからケースを起票」は、「Web-to- ケース」を API などで拡張したものと思われます。
「サポートアドレス宛にメールを送るとケースに変換される」は「 メール-to-ケース」の機能をそのまま使用していたはずです。
「IP 電話を受けるとアドオンが反応し、 取引先責任者の詳細が自動で画面表示される」は、 コールセンター連携という機能を使用しており、 アドオンをインストールするタイプのものは現在ではサービス終了 となっていますが、少なくとも同等以上の後継機能( アドオンを使用せず Salesforce 内の設定のみで使用可能)でカバーされています。
Web-to-ケースを使用した Web フォームの提供
https://help.salesforce.com/ articleView?id=customize_ casecapture.htm&type=5
メール-to-ケースを使用したメールの送受信
https://help.salesforce.com/ articleView?id= customizesupport_email.htm& type=5
コールセンターからの電話
https://help.salesforce.com/ articleView?id=cti_channel. htm&type=5
同時に Service Cloud ライセンスでは Sales Cloud 固有の商談関連機能(売上予測、商談商品の使用、 キャンペーン連携など)が使用できません。 Sales Cloud と Service Cloud の両機能が使用できる「Sales & Service Cloud」ライセンスも提供されております。
https://www.salesforce.com/jp/ editions-pricing/sales-and- service-cloud/
「Sales Cloud は商談を核としたもの、Service Cloud はケースを核としたもの」と解釈するとわかりやすいかもしれませ ん。
さて、先に述べたとおり、単なる「ケース管理機能」だった Service Cloud は、年三回のリリースのたびに少しずつ機能を追加し、 現在の陣容に至っております。現在の Service Cloud にはどのような機能があるのでしょうか。
改めて Salesforce 公式サイトの Service Cloud 機能一覧を見てみましょう。
- Lightning Service Console
- ケースの管理
- ナレッジベース
- サービスプロセスと自動化
- オムニチャネルのルーティング
- Service Analytics
- CTI インテグレーション
- マクロを使った自動化
- 資産や注文の管理
各機能の詳細は次週以降順次ご案内いたしますが、 まず主なところの概要をご説明しますと・・・
「Lightning Service Console」
直接顧客とやり取りを行うオペレーター(俗に「Tier 1(ティア・ワン)」と呼ばれます)の視点で、 ケースを中心として必要な情報を一画面で一元管理する機能です。
必要な情報とは、例えば、 問い合わせをしてきた顧客の取引先責任者&取引先プロファイル、 ケース内容に関連する社内ナレッジ、 エスカレーション先サポートスペシャリスト(俗に「Tier 2(ティア・ツー)」と呼ばれます)の一覧などになります。
Tier 1 に最も求められるのは、「迅速な対応」と「的確な切り分け」 です。
如何に素早く問い合わせに対応し、内容を判断し、 適切なナレッジに基づいて回答をするか、もしくはしかるべき Tier 2 エスカレーション先にケースを割り当てるか、 そのニーズに合わせる形で、コンソール機能は追加され、 リリースごとに発展してきました。
具体的にどのような画面でどのような操作を行うのか、 次週早速取り上げさせていただく予定です。
「ナレッジベース」
新しいオペレータを、トレーニングに時間を掛けずに、Tier 1 ラインでデビューさせる。
成功のカギは、ナレッジベースの蓄積に掛かってきます。
コンソール画面と一体化したナレッジにより、 オペレーターは問い合わせの内容とナレッジを照らし合わせ、 最適な解決策を迅速に提供することが可能になります。
直近のバージョンでは Salesforce Einstein AI により、 システムが最適なナレッジを推奨して表示するようになりました。
さらに、問い合わせフォームとナレッジベースを連携することで、 顧客はケースを起票する前に、 ナレッジによって自己解決できる場合もあります。
「サービスプロセスと自動化」
ケース管理におけるプロセスの自動化には、 基本的に以下の三つがあります。
- 問い合わせ顧客への自動レスポンス
- ケースの社内割り当て
- エスカレーションの自動化
問い合わせ内容や顧客種別によって自動応答の内容を分岐させる。
顧客のサポートレベルや問い合わせ内容によってケース割り当て先 チームを分岐させる。
顧客のサポートレベルやケースの重要度によって初期応答時間を定 義し、 緊急性の高いケースはより職能レベルの高いチームにエスカレーシ ョンしたり、一定時間内に有効な回答が提供できない場合は直接 Tier 2 ラインに割り当てる。
これらの自動化設定をカスタマイズし、 それ以外に必要な自動化ルールが必要な場合は、 プロセスビルダーや Lightning フローによって開発コード不要で拡張できます。( このあたりの話はバックナンバーにありますので是非ご覧ください !)
「オムニチャネルのルーティング」
問い合わせ内容、取引先責任者や取引先の属性、 オペレーターのスキルおよび対応状況などから、 ケースを優先度付けして最適なオペレーターに割り当てる機能です 。
割り当てられたオペレーターは、 ケースの優先度に基づいた作業順序に従ってケースの対応を行うこ とができます。
ここ数年の Service Cloud の機能追加の中で最も大きなもので、 オムニチャネルを使いこなせるかどうかが、Service Cloud の使いこなしの成果に大きくかかわってくるのではないかと思われ ます。
本シリーズでも一週分かけてオムニチャネルについてご案内させて いただく予定です。
「CTI インテグレーション」
ごく初期の Service Cloud - まだ「ケース管理機能」と呼ばれていた頃にも、CTI システムとの連携機能はありましたが、 ソフトフォン連携アドオンをコンピュータに直接インストールする タイプのもので、エラーも多く、お世辞にも「よく出来ている」 とは言えないものでした。
現在のバージョンは、Salesforce 組織と CTI システムを管理者設定にて直接繋ぐタイプのもので、PC 毎にアドオンをインストールする必要がなく、 安定度も格段に向上しています。
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既に Sales Cloud や Salesforce Platform を導入済みで、 顧客対応の管理を原初的なメールベースで実施されている会社のご 担当者様、Service Cloud の追加導入によって、 問い合わせの取りこぼしや対応遅延から解放され、 環境が劇的に改善されるかもしれません。
これから数週にわたってお送りする本シリーズが、お客様の Service Cloud 導入の検討材料になれば幸いでございます。
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Service Cloud シリーズの第一回、いかがでしたでしょうか。
文中でも言及しておりますが、 問い合わせをメールで管理しているお客様、 実は決して少なくないのではないかと思われます。
メールで問い合わせを管理すると、 よほどの完璧超人でもない限り、 絶対に取りこぼしや対応遅延が発生し、 クレームの原因となるものです。
そのような問題でお悩みのお客様、せっかくの機会ですので、 Service Cloud に注目してみませんか?
今回の記事は、弊社の営業担当から「Service Cloud の販売を拡充したいから是非取り上げてほしい」 というリクエストを受けて執筆した、という裏話もあります。
今後ともウフル カスタマーサポートを引き続きご愛顧いただきますよう、 何卒よろしくお願い申し上げます。
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