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2023.04.27 「Salesforce Spring ’23 Sandbox プレビューに際して、改めて "プレビュー期間のテスト" の重要性を確認しましょう」

お世話になっております。
ウフル カスタマーサポート Salesforce 担当の 後藤 でございます。

 

前回の配信より少々間が空いてしまい恐縮でございます。

Salesforce もつい先日 Spring '23 がリリースされたと思ったら、もう Summer '23 のリリースについての告知がされております。

今回のリリースは従来の機能の廃止など大きな変化がありますので 、是非周知させていただきたく、 のちほど詳細なご案内をいたしますので。

 

その前に、 まずは弊社のゴールデンウィークの営業日についてご案内いたしま す。

 

<ゴールデンウィーク中の弊社営業日>

  • 4/29(土:祝) 通常休業日
  • 4/30(日) 通常休業日
  • 5/1(月) 通常営業日
  • 5/2(火) 通常営業日
  • 5/3(水:祝) 祝日のため休業(憲法記念日)
  • 5/4(木:祝) 祝日のため休業(みどりの日)
  • 5/5(金:祝) 祝日のため休業(こどもの日)
  • 5/6(土) 通常休業日
  • 5/7(日) 通常休業日

 

カレンダー通りの営業日となります。

5月2日18時以降にメールもしくはお客様サポート窓口に頂いた お問い合わせについては、 初期応答も含めて5月8日の対応とさせていただきますので何卒ご 了承ください。

しかしながら、「カレンダー通りの営業日」であるにも関わらず、 あえて今回営業日についてご案内をさせていただいた大きな理由が 、これからご説明いたします Salesforce の Summer '23 Sandbox プレビューが始まるのがまさに5連休真ん中の5月5日である、 という点になります。

では本題に入らせていただきます。

 

* Summer ’23 リリーススケジュール

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 英語版リリースノートの公開:4/26
    (日本語版リリースノートは 5/15 あたりの予定)
  • Sandbox プレビュー参加期限:5/5
  • Trailhead モジュール公開:5/15
  • 北米および欧州インスタンスの本番バージョンアップ:5/19, 6/2, 6/9
  • 日本を含む全インスタンスの本番および Sandbox バージョンアップ完了:6/12

 

出典:
Salesforce - The 360 blog: Save These Dates: Summer ’23 Sandbox Preview
https://www.salesforce.com/blog/key-dates-summer-sandbox-preview/

 

インスタンスごとのリリース日詳細については Trust サイトをご確認ください。

Salesforce - Trust : Maintenances
https://status.salesforce.com/products/all/maintenances

 

バージョンアップを円滑にトラブルなく迎えるために重要なことが 、プレビュー期間の約一ヶ月間で事前確認をしっかり行うという点で す。

そのためにも、確実に Sandbox プレビューに参加できるよう、今すぐ手順を確認しましょう。

 

 

* 具体的な Sandbox プレビューの参加方法

 

 

Sandbox プレビューに参加するには、以下の条件を満たす必要があります。

  • プレビュー開始日までに、プレビューインスタンスに配置された Sandbox を用意すること

 

ここで「プレビューインスタンスって何?」 と思われた方も多いと思います。

プレビュー Sandbox および非プレビュー Sandbox とは?

https://help.salesforce.com/s/articleView?id=sf.data_sandbox_preview.htm&type=5

 

======================

Salesforce メジャーリリース移行中、Sandbox はリリース種別に基づいて異なるタイムラインでアップグレードさ れます。Sandbox の 2 つのリリース種別は、プレビューと非プレビューです。

======================

 

Sandbox のインスタンス「CS**」(例えば CS16、CS54、CS72 ~)は、バージョンアップ準備期間中、 プレビューと非プレビューの二つに分けられます。

Sandbox プレビュー開始のおよそ1ヶ月前、Salesforce から次バージョンのリリーススケジュールについての告知が行われ 、その時点で以下の振り分けが行われます。

  • Sandbox インスタンスについて、プレビュー/ 非プレビューの組分けが行われる
  • 告知日からプレビュー開始前日までに作成およびリフレッシュ( 更新)を行った Sandbox は、自動的にプレビューインスタンスに配置される
  • プレビューインスタンス上の Sandbox は、プレビュー開始のタイミングで自動でバージョンアップされる
  • プレビュー開始後に新規作成もしくはリフレッシュされた Sandbox は、自動的に非プレビューインスタンスに配置される
  • 非プレビューインスタンスの Sandbox も、本番環境インスタンスと同時にバージョンアップされる

 

【新規 Sandbox でプレビューに参加する】

 

Sandbox プレビューのために新規で Sandbox を作成する場合は、難しいことはありません。

今回の Summer '23 は、5月5日に開始となりますので、前日の 5月4日までに( 厳密 には5月5日午前11時までに作成が完了しているように Sandbox を作成しておきます。

 

但し、直前は多くのユーザが Sandbox 作成リクエストを行うことが想定されます。

Sandbox 作成ロジックは「キュー方式」つまり「 作成リクエストが早い順に列に並んで、 前のリクエストが完了したら次を処理する」 仕組みが取られています。

そのため、作成ボタンを押してから完了まで、 通常なら数十分で終わるところが、数時間、 場合によっては半日近く要したこともありますので、 5日夜にリクエストを出したけど、 5日11時まで作成が完了せず、今回の Sandbox プレビューに参加できなくなった、 ということも可能性としては大いにあり得ます。

この記事をご覧になりましたら、 できるだけ早めのご対応をお勧めいたします。

「カレンダー通りの出勤(or リモートワーク)だから5月2日の退勤(ログアウト) 前にやれば大丈夫」とお考えの方・・・ 2日作成開始では間に合わない可能性もあります、 できるだけ4月28日の退勤前に Sandbox の作成ボタンを押すことを強く推奨いたします!!(特に Full Sandbox や Partial Copy Sandbox などレコードデータのコピーを伴う場合、通常の Developer Sandbox に比べ長い時間を要しますので・・・)

 

 

【既存 Sandbox でプレビューに参加する】

 

運用によっては、新規 Sandbox ではなく、既存の Sandbox でプレビューに参加したい、ということも多いと思います。

特に、本番環境にリリースしていない設定や開発コンポーネントが Sandbox に残存しており、 その設定をリリース前に新バージョンで検証したい、 ということも恐らくあるでしょうし、Sandbox をリフレッシュすることによって、(データが全てコピーされる Full Sandbox または部分的にコピーされる Partial Copy Sandbox 以外の)一般的な Developer Sandbox では、 テスト用のデータを一から作成もしくはインポートするのが大変だ 、ということもあるでしょう。

その場合は、対象の Sandbox が、 プレビューと非プレビューのどちらのインスタンスに配置されてい るかを確認することが重要になります。

 

Salesforce Sandbox プレビュー手順
https://help.salesforce.com/s/articleView?id=000391927&type= 1

 

 

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本番の [設定] から、[クイック検索] ボックスに「Sandbox」と入力し、[Sandbox] を選択します。  Sandbox がプレビューインスタンスにあるか、 非プレビューインスタンスにあるかを確認するには、「 リリース種別」を使用してください。

Sandbox インスタンス名で検索する場合は、Sandbox プレビューガイドを使用してください。または複数の Sandbox をチェックしてください。このガイドでは、Sandbox がプレビューであるか非プレビューであるかが示されるほか、 次のリリース (Summer '23) に移行するまたは現在のリリース (Spring '23) で維持するために何を行うかが示されています。 

======================

 

本番環境の「Sandbox 一覧」から参照する場合は、「リリース種別」 の列で確認をします。

「プレビュー」と書いてある場合はそのまま待ちます。

「プレビュー以外」と書いてある場合は、 先述の期限までに更新を行うか、別に新規の Sandbox を作成します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sandbox にログインした上でインスタンス名で検索する場合は、 組織プロファイル画面の右側にインスタンス名が表記されているの で、一旦メモ帳などに控えておきます。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その上で、ヘルプの文中にある Sandbox プレビューガイドにアクセスし、 インスタンス名で照会を行います。

https://sandbox-preview. herokuapp.com/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インスタンス名(今回の場合は「CS75」)を入力し「 Submit」ボタンを押します。

 

 


 

 

 

 

 

CS75 は今回のリリースではプレビューインスタンスに配置されているこ とが確認できました。

No action is needed と表記されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「プレビューに参加する場合は、 そのまま放置するか、 もしリフレッシュが必要な何らかの理由がある場合は、" 2023/05/04 6:00 p.m. at Pacific Time" までに更新を完了してください 」と記載があります。

(先述の「5月5日午前11時までに」 は時差を考慮したものになります)  

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

一方、当該 Sandbox では Summer '23 プレビューには参加したくない、という場合は、5月5日11時( 日本時間)以降にリフレッシュを行うことで、Spring '23 バージョンに更新されます。

但し、本番リリースとなる6月12日には、 プレビューに参加しないすべての本番 / Sandbox 組織が Summer '23 にバージョンアップとなります。

つまり、「Spring ’23 のまま留めおきたいので何らかの組織を残したい」 ということは絶対にできない、ということになります。

 

 

CS58 など「非プレビューインスタンス」に配置されている場合は、 Sandbox プレビューに参加するには5月5日11時までにリフレッシュを完 了させる必要があります。 

参加しない場合はそのまま放置、 もし何らかの事情でリフレッシュが必要な場合は、 5月5日11時まで待ったうえでリフレッシュを行うことで、 引き続き非プレビューインスタンスに留まることができます。

もちろん、6月12日には Summer '23 にバージョンアップされます。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

業務運用上 Sandbox プレビューに参加が必須なお客様は、必ず上記をご確認の上、 新規と既存のどちらの Sandbox で参加するかを決定し、必要な手続きを行ってください。

 

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さて、Sandbox プレビューを行う上で、注意点が一つあります。

 

それは、「プレビュー Sandbox から変更セット経由での本番環境または非プレビュー Sandbox のリリースが失敗する可能性が高い」という点になります。

 

 

プレビュー期間中の変更セット、管理/非管理パッケージ、 AppExchange パッケージの利用について

https://help.salesforce.com/s/ articleView?id=000385997&type= 1

 

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年 3 回行われるメジャーリリースの前に設けられるプレビュー期間中に 変更セット、管理/非管理パッケージ、AppExchange パッケージを利用したメタデータの移行を行なう際にはそれらの作 成元の組織と、インストール先の組織のリリース (Summer '20, Spring '20 等) が合っていない場合リリースやインストールが失敗する可能性があ ります。

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本番リリース直前の最終テストおよびリリース管理用、いわゆる「 ステージング組織」として Sandbox を使用していることも多いと思われます。

もしステージング組織がプレビューの対象となっている場合、 プレビュー期間中の本番組織へのリリースに大きく支障が発生する ことが考えられます。

プレビュー期間中にステージング組織から本番組織へのリリースが 発生することが予め想定されており、 ステージング組織がプレビューインスタンス上に配置されている場 合は、以下の手順を行うことをお勧めいたします。

  • ステージング組織上に、 本番環境へのリリースが未実施のコンポーネントがある場合は、 本番環境にリリース、もしくは別の Sandbox にバックアップを取っておく
  • 5月5日以降(プレビュー開始後)リリース開始後に更新を行う
  • 更新後、Spring '23 バージョンに戻っていることを確認する

ステージング組織は大抵の場合 Full Sandbox か Partial Copy Sandbox を使用することが多いと思います。

その場合は、 更新を行っても本番組織のデータが再度コピーされますので、 引き続き実データを用いたリリース前の最終検証が行えるはずです

ステージング環境として Sandbox を使用していない場合でも、 プレビュー期間中に次バージョンと従来バージョンの両方での挙動 が確認できるよう、プレビューと非プレビューそれぞれの Sandbox を用意しておくことは非常に有益です。

 

 

* Sandbox プレビューに参加する意義

 

 

Sandbox プレビューに参加する意義は、 利用者自身がテストを行う必要がある、という点です。

 お客様自身によるテストが必要な理由は、

  • お客様固有のカスタマイゼーションの動作確認
  • お客様の重要処理の動作確認
  • メジャーリリースによる変更確認

以上の3点になります。

 

出典:
Trailblazer Community: メジャーリリースにおけるテストの考え方
https://trailhead.salesforce. com/ja/trailblazer-community/ feed/0D53A00002zDi3CSAS

 

 

「お客様固有のカスタマイゼーション」において、 標準オブジェクト(取引先や取引先責任者など) のカスタム項目追加、 カスタムオブジェクトの作成といった標準的なカスタマイズ、 およびフローなどの「高度な宣言的開発」については、 バージョンアップで受ける影響はほぼ無い、 もしくは非常に限定的なものになりますが、 それらの機能では要件を満たすことができない場合に使用すること になる、Apex や Visualforce、Lightning Web コンポーネントなどのプログラミング開発機能においては、 リリースによってはバージョンアップによる影響を大きく受ける場 合があります。

併せて、API を使用した外部基幹との連携を構築している場合も、使用している API バージョンによっては、リリースにおいて古い API バージョンが廃止されることで、 連携ができなくなるということも起こりえます。

直近の Summer '23 においても、古い API バージョン(21.0 ~ 30.0)の廃止が決定しております。

 

Salesforce Platform API バージョン 21.0 ~ 30.0 の廃止
https://help.salesforce.com/s/ articleView?id=000389618&type= 1

 

このことから、Apex や Visualforce で開発を行っている、 もしくは基幹連携を構築しているお客様においては、 Sandbox プレビューでの事前テストは「必須」であると言えます。

 

「お客様の重要処理の動作確認」については、先ほど「 標準的なカスタマイズでは基本的にバージョンアップの影響は受け ない」と申し上げましたが、それはあくまでも「 仕様変更の影響は受けない」という話で、 万が一リリース内容に不具合が含まれていたとして、Spring ’23 環境では問題ないが、Summer '23 では想定通り動作しない、 そして調査を進めたらリリースによる不具合だった、 ということが稀に発生することがあります。

不具合情報は Salesforce にて収集され、調査の上、Known Issues (既知の問題)サイトにて公開されます。

 

Salesforce Known Issues (既知の問題) サイトについて
https://help.salesforce.com/s/ articleView?id=000386216&type= 1

 

確認された情報は迅速に修正パッチが用意され、 本番バージョンアップの1週間後に適用されることが多いですが、 中には本番バージョンアップまでにパッチが用意できず、 次のリリースに修正が持ち越しになることもあります。

もしお客様の運用における重要な処理に大きく関わる不具合が見つ かった場合、お客様は代替策を検討する必要が出てきます。

そして、それらの不具合は、お客様がテストにおいて確認をし、 Salesforce サポートに問合せをすることで初めて発覚するということも無いと は限りません。

プログラミング開発や基幹連携を行っていないお客様においても事 前テストが必要な理由はここにあります。

 

 

「メジャーリリースによる変更確認」は、 新機能提供やインターフェースの変更など、一般的に「 バージョンアップの影響」とされている点になります。

お客様の運用においてインターフェースの変更は大きな影響をもた らすことになり、 新機能のリリースによって利便性が向上するということもあります ので、そういった観点からも Sandbox プレビューに参加する意義は大いにあると言えます。

事前テストを行うにも、まずは Sandbox プレビュー環境を用意しないことには始まりません。

テストをいつでも行えるよう、プレビューに参加できる Sandbox 環境の有無を確認し、もし存在しない場合は、 期間内に準備を行うこと、できれば28日までに Sandbox の作成ボタンを押すことを強く強くお勧めいたします。

 

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弊社では Salesforce ライセンスの販売と一次サポートだけではなく、 プログラミング開発や基幹連携を含む導入支援、 ご利用を開始してからの定着化を目的としたコンサルティング保守 サービスを提供しており、その一環で、バージョンアップに伴う Sandbox プレビューでの動作テストも承っております。

 

お客様組織での運用内容を事前に把握した上で、 テストのシナリオを作成し、Sandbox の作成準備から、プレビュー期間中のテスト実行、 問題点の洗い出し、Salesforce サポートへの不具合報告などを包括的に対応しております。

併せて、公開されるリリースノートにて新機能を確認の上、 お客様の運用において有用と考えられるものについては、 定着化支援サポートならびにアプリケーション保守サービスの中で ご提案をしております。

もし御社の運用においてリリース時のテストが必要かどうかを検討 されたい場合は、 弊社までご相談をいただければ幸いでございます。

 

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今回のカスタマーサポート通信、いかがでしたでしょうか。

Sandbox プレビューの記事はバージョンアップの度に配信しておりますが、 「テストの意義」 についてここまで取り上げたのは初めてになります。

連休明けには日本語版リリースノートも公開されますので、 そのタイミングで、 新機能のご案内を次回の記事でできればと考えております。

今後ともウフル カスタマーサポートを引き続きご愛顧いただきますよう、 何卒よろしくお願い申し上げます。


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