2022.12.28 「年末年始弊社営業日のお知らせ & Salesforce Spring ’23 リリース & 拡張ドメインへの対応 を万全に迎えるため、Sandbox プレビューに参加しましょう【必見!】」
≪ 2022.12.06 「Salesforce - この機会に [拡張ドメイン] の目的と影響を確認し、リリースに備えましょう」
お世話になっております。
ウフルカスタマーサポートSalesforce 担当の 後藤 でございます。
早いもので、今年も残りわずか数日となりました。
まずは重要なお知らせ、 年末年始弊社営業日のご案内をさせていただきます。
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2022年12月(年末)~2023年1月(年始) のスケジュールについて、以下の通りとさせていただきますので、 ご了承の程、何卒宜しくお願いいたします。
■ 年内最終日(12月29日)の対応について
15:00 までにご連絡いただいたケースについては、 当日中に一次回答をいたします。
15:00 以降にご連絡いただいたケースについては、 1月4日の対応とさせていただきます。
■ 休業中の対応について
休業中は、電話、メール回答ともにお休みさせていただきます。
メールは休業中も受け付けております。 お休み中にいただきましたお問い合わせにつきましては、
翌営業日以降順次ご対応させていただきます。予めご了承下さい。
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前回は「拡張ドメインの有効化」 についてお話をさせていただきましたが、有効な対処方法として、 最後の章で「Sandbox で事前テストを行う」と記載いたしました。
2022.12.06 「Salesforce - この機会に [拡張ドメイン] の目的と影響を確認し、リリースに備えましょう」
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詳細は次回以降に譲りますが、事前に Sandbox で入念な検証を行うことが非常に重要になります。( この説明だけで丸々一回分を要するレベルです)
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拡張ドメインを始めとして、 バージョンアップに伴う新機能を本番環境で有効化する際に非常に 有用なのが「Sandbox プレビュー」になります。
そういえば、過去の CS 通信でも、「Sandbox プレビュー」を取り上げたことがあったはずなので、 その記事を再構成しつつ重要な点を補足しようかと、 今まで同テーマで 取り上げているものを探してみたところ、 以下のものが見つかりました。
<CS 通信>
2020.09.04 「Salesforce - Summer '20 新機能をチェック(3):Service Cloud 編 (+ Winter '21 Sandbox プレビューの案内)」
<よくあるご質問>
[Salesforce] 年3回の定期的バージョンアップに対し、 ユーザが備えておくことはありますか?
2年前の記事なので、重要な点は変わってませんが( プレビューに参加する場合としない場合の事前設定など)、 細かいところがいくつか変わっていますので、 改めて取り上げさせていただきます。
* Sandbox プレビューの意義を改めて確認する
そもそも、Sandbox プレビューの意義とは何でしょうか。
主にふたつの点が挙げられます。
- 新機能をいち早く評価できる
- バージョンアップに伴って発生した設定や開発の不具合をキャッチ
アップできる
公式 Trailhead にも下記のとおり記載があります。
Sandbox プレビューによる早期アクセス
https://trailhead.salesforce. com/ja/content/learn/modules/ sf_releases/sf-releases- sandbox-preview
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Salesforce のほぼすべてのお客様は、少なくとも 1 つの Sandbox (テスト環境) にアクセスし、 新機能を本番環境にリリースする前にそこで構築とテストを行うこ とができます。Sandbox は、新機能がリリースされる前に、 独自の設定でプレビューおよびテストするために使用することもで きます。
一部の機能は自動的に有効になります。これらの機能は、 本番環境にリリースされるとすぐにすべての Salesforce ユーザーに表示されます。プレビュー Sandbox では、事前に新機能を評価し、 コミュニケーションを取ることが有益かどうかを判断できます。 事前の通達がユーザーから喜ばれることは間違いありません。
また、多くの新機能は、システム管理者が有効化するか、 若干の設定を行うまで使用できないので、Sandbox プレビューを使用して次を行うことができます。
- 稼働している機能を探索し、有効にするものを特定する。
- 使用する機能を有効にする方法を学ぶ。
- リリース前に機能の有効化と設定の練習をし、
ユーザーへのロールアウトを準備する。
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新機能の評価については広く知られていますが、 カスタマーサポートの視点から、意外に知られていないのが、 「 バージョンアップによって発生した変更が、 既存の設定や開発に影響をもたらす」 ことの事前検知、 であるかと認識しております。
実際、弊社サポートデスクでも、ご契約のお客様より、 本番環境のバージョンアップが行われた最初の月曜日に 「 うちで設定した Visualforce ページが意図したように動いてくれません、Salesforce 社に調査依頼の問合せを上げてもらえますか?」 というリクエスト を頂いたことが何度かあります。
ちなみに、Salesforceサポートは、バージョンアップが関連する開発コンポーネント( Apex、Visualforce、Lightning Web コンポーネント)サポートについて、 以下のように定義しています。
(Enterprise Edition に付随するベーシックサポートの場合。Unlimited Edition に付随するプレミアサポートの場合は少々異なります)
- 通常は開発コンポーネントの問合せはサポート対象外としている
- バージョンアップにより従来のコンポーネント動作に不具合が見ら
れた場合は、仕様変更が原因かどうかの調査を特別に行う - 但し、Sandbox プレビューの期間内に限定し、Sandbox と本番環境に同じコンポーネントを設定し、
それぞれのログインアクセス許可を設定した上で、 調査リクエストを起票する必要がある
つまり、本番環境のバージョンアップが完了した後では、 ベーシックサポートのお客様は「 バージョンアップ起因の不具合かどうか」 の調査リクエストも受けてもらえない可能性がある、 ということになります。
他にも、AppExchange で追加インストールしたアドオンが、 新バージョンでは動作に支障が生じる、ということもあり得ます。
TeamSpirit などの有償パッケージではほぼあり得ないことですが、 無償の機能拡張では決して珍しいことではなかったりします。
一ヶ月早くキャッチアップできることで、「 じゃあ別の方法を検討しよう」 と時間的猶予が得られるのは運用上大きなメリットだと思われます 。
そして、先述の通り、今回は特に「拡張ドメインの有効化」 という大きなトピックがあります。
今まで Sandbox プレビューに参加したことのないお客様も、これを機に一度「 Sandbox プレビューとはどういうものなのか」 をお試しいただければと存じます。
* 具体的な Sandbox プレビューの参加方法
Sandbox プレビューに参加するには、以下の条件を満たす必要があります。
- プレビュー開始日までに、プレビューインスタンスに配置された Sandbox を用意すること
ここで「プレビューインスタンスって何?」 と思われた方も多いと思います。
プレビュー Sandbox および非プレビュー Sandbox とは?
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Salesforce メジャーリリース移行中、Sandbox はリリース種別に基づいて異なるタイムラインでアップグレードさ れます。Sandbox の 2 つのリリース種別は、プレビューと非プレビューです。
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Sandbox のインスタンス「CS**」(例えば CS16、CS54、CS72 ~)は、バージョンアップ準備期間中、 プレビューと非プレビューの二つに分けられます。
Sandbox プレビュー開始のおよそ1ヶ月前、Salesforce から次バージョンのリリーススケジュールについての告知が行われ 、その時点で以下の振り分けが行われます。
- Sandbox インスタンスについて、プレビュー/
非プレビューの組分けが行われる - 告知日からプレビュー開始前日までに作成およびリフレッシュ(
更新)を行った Sandbox は、自動的にプレビューインスタンスに配置される - プレビューインスタンス上の Sandbox は、プレビュー開始のタイミングで自動でバージョンアップされる
- プレビュー開始後に新規作成もしくはリフレッシュされた Sandbox は、自動的に非プレビューインスタンスに配置される
- 非プレビューインスタンスの Sandbox も、本番環境インスタンスと同時にバージョンアップされる
【新規 Sandbox でプレビューに参加する】
Sandbox プレビューのために新規で Sandbox を作成する場合は、難しいことはありません。
今回の Spring '23 は、年明けの1月6日に開始となりますので、前日の 1月5日まで に( 厳密には1月6日午前11時までに作成が完了しているように ) Sandbox を作成しておきます。
但し、直前は多くのユーザが Sandbox 作成リクエストを行うことが想定されます。
Sandbox 作成ロジックは「キュー方式」つまり「 作成リクエストが早い順に列に並んで、 前のリクエストが完了したら次を処理する」 仕組みが取られています。
そのため、作成ボタンを押してから完了まで、 通常なら数十分で終わるところが、数時間、 場合によっては半日近く要したこともありますので、 5日夜にリクエストを出したけど、 6日11時まで作成が完了せず、今回の Sandbox プレビューに参加できなくなった、 ということも可能性としては大いにあり得ます。
この記事をご覧になりましたら、忘れないよう早めの Sandbox 作成をいただくことを強くお勧めいたします。
【既存 Sandbox でプレビューに参加する】
運用によっては、新規 Sandbox ではなく、既存の Sandbox でプレビューに参加したい、ということも多いと思います。
特に、本番環境にリリースしていない設定や開発コンポーネントが Sandbox に残存しており、 その設定をリリース前に新バージョンで検証したい、 ということも恐らくあるでしょうし、Sandbox をリフレッシュすることによって、(データが全てコピーされる Full Sandbox または部分的にコピーされる Partial Copy Sandbox 以外の)一般的な Developer Sandbox では、 テスト用のデータを一から作成もしくはインポートするのが大変だ 、ということもあるでしょう。
その場合は、対象の Sandbox が、 プレビューと非プレビューのどちらのインスタンスに配置されてい るかを確認することが重要になります。
Salesforce Sandbox プレビュー手順
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本番の [設定] から、[クイック検索] ボックスに「Sandbox」と入力し、[Sandbox] を選択します。 Sandbox がプレビューインスタンスにあるか、
Sandbox インスタンス名で検索する場合は、Sandbox プレビューガイドを使用してください。または複数の Sandbox をチェックしてください。このガイドでは、Sandbox がプレビューであるか非プレビューであるかが示されるほか、
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本番環境の「Sandbox 一覧」から参照する場合は、「リリース種別」 の列で確認をします。
「プレビュー」と書いてある場合はそのまま待ちます。
「プレビュー以外」と書いてある場合は、 先述の期限までに更新を行うか、別に新規の Sandbox を作成します。
Sandbox にログインした上でインスタンス名で検索する場合は、 組織プロファイル画面の右側にインスタンス名が表記されているの で、一旦メモ帳などに控えておきます。
その上で、ヘルプの文中にある Sandbox プレビューガイドにアクセスし、 インスタンス名で照会を行います。
インスタンス名(今回の場合は「CS75」)を入力し「 Submit」ボタンを押します。
CS75 は今回のリリースではプレビューインスタンスに配置されているこ とが確認できました。
No action is needed と表記されています。
非プレビューインスタンスの場合は以下の表記になります。
「プレビューに参加する場合は "2023/01/05 18:00 Pacific Time" までに更新を完了してください」と記載があります。
(先述の「1月6日午前11時までに」 は時差を考慮したものになります)
業務運用上 Sandbox プレビューに参加が必須なお客様は、必ず上記をご確認の上、 新規と既存のどちらの Sandbox で参加するかを決定し、必要な手続きを行ってください。
今回の記事をご覧いただき、Sandbox プレビューに関心を持たれた方は、是非年内に( もしくは年明け初仕事の日に)新規で Sandbox を作成していただければ幸いでございます。
年明け最初の CS 通信で、プレビュー Sandbox を使用してバージョンアップへの対応をどのように行うかについて の記事を書かせていただきます。
「拡張ドメインの有効化」を始めとする、 重要なリリースが今回多々ありますので、 記事の内容を実際お試しいただくために、 是非実施お願いいただければと存じます。
* Sandbox プレビューの注意点
さて、Sandbox プレビューを行う上で、注意点が一つあります。
それは、「プレビュー Sandbox から変更セット経由での本番環境または非プレビュー Sandbox のリリースが失敗する可能性が高い」という点になります。
プレビュー期間中の変更セット、管理/非管理パッケージ、 AppExchange パッケージの利用について
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年 3 回行われるメジャーリリースの前に設けられるプレビュー期間中に 変更セット、管理/非管理パッケージ、AppExchange パッケージを利用したメタデータの移行を行なう際にはそれらの作 成元の組織と、インストール先の組織のリリース (Summer '20, Spring '20 等) が合っていない場合リリースやインストールが失敗する可能性があ ります。
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本番リリース直前の最終テストおよびリリース管理用、いわゆる「 ステージング組織」として Sandbox を使用していることも多いと思われます。
もしステージング組織がプレビューの対象となっている場合、 プレビュー期間中の本番組織へのリリースに大きく支障が発生する ことが考えられます。
プレビュー期間中にステージング組織から本番組織へのリリースが 発生することが予め想定されており、 ステージング組織がプレビューインスタンス上に配置されている場 合は、以下の手順を行うことをお勧めいたします。
- ステージング組織上に、
本番環境へのリリースが未実施のコンポーネントがある場合は、 本番環境にリリース、もしくは別の Sandbox にバックアップを取っておく - 1月6日以降(プレビュー開始後)リリース開始後に更新を行う
- 更新後、Winter '23 バージョンに戻っていることを確認する
ステージング組織は大抵の場合 Full Sandbox か Partial Copy Sandbox を使用することが多いと思います。
その場合は、 更新を行っても本番組織のデータが再度コピーされますので、 引き続き実データを用いたリリース前の最終検証が行えるはずです 。
ステージング環境として Sandbox を使用していない場合でも、 プレビュー期間中に次バージョンと従来バージョンの両方での挙動 が確認できるよう、プレビューと非プレビューそれぞれの Sandbox を用意しておくことは非常に有益です。
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今回の CS 通信、いかがでしたでしょうか。
実は Sandbox プレビューを丸々取り上げることは初めてのことでした。
変更セットが絡む注意点についても結構見逃されがちなポイントな ので、今回の記事が皆様のお役に立てれば光栄でございます。
年明けの次回はちょうどプレビュー期間中ですので、 先述いたしましたとおり、Sandbox プレビューをどのように活用するかの記事をご提供させていただく 方針でございます。
今後ともウフルカスタマーサポートを引き続きご愛顧いただきますよう、 何卒よろしくお願い申し上げます。
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